《MUMEI》 つい最近深夜だったのですが、懐かし気分でその山道を通ったら、樹木はすっかり切り払われ防空壕の入口も板でふさいであり、牛の屠殺場は職業安定所に変わっていました。 それでも規則的に並んだ街灯が照らす坂道はもの寂しく、男でも夜中の一人歩きには危険を感じる道でしたね。 まあ小学生の六年間も、その後の噂でも犯罪事件が起きたなどとゆうような話は全く聞きませんでしたが、幽霊が出る心霊スポットだと言われれば納得の不気味さを、現在もかもし出していました。 まあ世間で心霊スポットの噂があるなしに関係なく、小学生の私はその山道で、例の謎の足音と再会してしまったのでしたが....。 ここでいきなりですが....はイー、再現VTRスタ〜ートオ! 季節は紅葉色づく秋。 下校をうながす放送(放送委員会の女の子の声、めっちゃかわいいじゃん。 小学生の私・談) とチャイムの音が、夕暮れ迫る小学校の校舎に鳴り響いています。 校舎の影が、夕陽を受けて校庭に長い影を落とす中.... その校舎の影から出て、赤く照らされるグラウンドをランドセルを背負い、てくてくと校門に向かう少年が一人。 そう、その少年とは将来スペースシャトルのパイロットを夢見、公園のぐるぐる回るジャングルジムで、日々無重力訓練に明け暮れる小学生の私です。 校門を出る一瞬、グラウンドを振り返り、風にくるくる舞い踊る紅葉の群れを一瞥(いちべつ)して、もうすっかり秋だねえ、と感慨を覚えたかどうかは憶 (おぼ)えておりません。 現在の私が予測するに、当時放課後の図書室読書ではまっていた、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズの続きがどうなるのか?などとゆうような事でも考えていたのではないでしょうか? 前へ |次へ |
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