《MUMEI》 『ライオン山』に近ずくにつれ、いよいよ住宅が少なくなり周囲の景色が寂しくなってくると、小学生の私の脳裏で先程まで読んでいた少年探偵団シリーズに登場する怪人達.... 透明怪人やら電人 M、人間豹やらの不気味な影がちらつきだします。 道の両側から迫る樹林の影から、それらの影が....なわけないだろ! と冷や汗をかきながら自分で自分に突っ込んでいると、現界と異界の狭間(はざま)を示す....養豚場の強烈な臭気がいつものように私を出迎えるのでした。 この強烈な臭気の結界の向こうから、長い長い登りの坂道が始まるのです。 まだ大陽が沈んではいない時間帯とは言え、うっそうと繁る樹木達が道の頭上を覆い、くねくね曲がりくねりながら続いている坂道はここにだけ一足早く夜の闇がやって来ているかのごとし。 そこはまさしくトワイライトゾーン。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |