《MUMEI》
分からない
   〜麗羅視点〜


お昼休みに

歩が出て行ってから


私が喋れないでいると

栄実が控えめに

「麗羅・・・大丈夫?」っと聞いてきた。

大丈夫な訳がなく

私は下を向いた。


何で歩は、私から離れていくの?

私何かしたの?

・・・・・・・・


思い当たることは

沢山ある。


私は、栄実みたいに

優しくないし

海みたいに面白いことも言えない。

歩みたいに

明るく振る舞うことも出来ない。


人を惹きつけるものが

私には・・・・・ない。


でも離れていって欲しくない。


でも今まで

そんなこと思ったことないから

どうしたらいいのか

分からない・・・。


栄実が海に

「歩っち追いかけなくていいの?」

っと聞くと

「今は、1人で頭冷やしたらいいんだよ。」

っと言った。


私は、何をしたらいい?

どうやったら

私とずっと一緒に居てくれる?

考えても考えても


答えは出ない・・・。


なんとなく沈黙が怖い。

『今日帰り村上も一緒に帰りたいって。』


でも、そんな言葉しか出てこなかった。

「うん分かった☆」

「オッケー☆」


今は、2人は私の側に居てくれるけど


いつか2人も離れていっちゃうのかな?


そんなの嫌・・・。


予鈴が鳴り歩が教室に

帰ってきた。


でもこっちを向きもせず

席に着いた。


授業のあとの10分休憩にも

歩は自分の席に

座っていた。


そんなことを

寂しいと思うなんて・・・。


気がつかないうちに

私の中で歩の存在は

大きなものになっていたみたい。

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