《MUMEI》
「俺だけのバニーに(以下略)」
突然だが、俺の好きな女の子を紹介しよう。
クラスメイトの吉倉伊桜《よしくら いお》だ。
伊桜は美しい。さらっと靡くロングヘアーが嗅覚を燻る。
100人の男性が100人振り向くような美貌に加え、出ている所は出ている。いや、出過ぎている。ボオォン!!キュッボオオオン!!
コスプレはナースが似合いそうだな。
もうすぐグルルヌのインチキもとい、魔法で両想いにすることができる。正直待ち遠しい。
女々しい?ヴァカめっ!俺みたいな草食系オタク男児が告白して成功するわけないだろう!
「葉月ちゃん。私の顔になにか付いてたりするのかな?」
鈍感キャラ常套句を口にする。まぁこいつの場合は鈍感ってキャラじゃない。だがしまった。つい見つめ過ぎていたかもしれない。
言い訳考えるの面倒だから思ったことを正直に言った。
「ちょっと頭の中で君をコスプレさせてみてた」
あ、ちょっと嫌そうな顔した。
でもそれも一瞬で、一秒後には満更でもなさそうにほくそ笑む。
「私くらいの美しさとナイスバデーを持ってると、何を着ても似合っちゃうから仕方がないね」
「伊桜さん一生のお願い!俺だけのバニーになってくれ!」
「黙れボケナス」
と、この様に彼女は自分が可愛く、巨乳であることを自覚しているのだ。つーか堂々と女子達に喧嘩売っている。
だが案ずることなかれ。
どうやらこういうキャラでウケているようで、ハブられるどころか中心にいる。羨ましい限りだ。
とりあえず伊桜の紹介は終わり。あとは物語を進めるにつれて本性がわかるかもね。
何故彼女を紹介したか、実は記念すべき1回目の勇者活動でのキーマンとなる人物だからだ。ん?キーウーマンかな?
彼女が美貌故に悩まされる現実。
彼女を見る目の羨望には必ず裏がある。
俺もちょっぴり、関係あります。
やれやれ、ついに勇者活動しなきゃか…………面倒だ。

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