《MUMEI》
続き
「ご、ごめん…」

僕が謝ると綾女は、また鞭を振り上げて僕の背中を、何度も叩いた。


いいよ…綾女。
これが綾女の愛情表現なら、何回でも耐えてあげる。
気が済むまで叩いて。







何回叩かれたかわからないけど、気付くと僕も綾女も息が上がっていた。
ふと、綾女を見ると、微かに震えているような気がした。

「…ぁ…あの…綾女……」

「……今日、泊まっていくから」

まさかの発言に、僕は驚いた。

「…ど……どういう…」


もしかして…、まだ続きがあるってこと?

一緒に…同じベッドで……


「そのまんまだけど」

僕は、綾女に抱き締めて欲しかったんだ。
悲しくなる言葉を浴びせられて、たくさん痛みに耐えたから…。
あんな言葉は嘘だって言って欲しかった。
昔みたいに、頭を撫でてくれるだけでもいいから。


そう思っていたけど、綾女はもしかして、それ以上のことを……

「だから早く出しちゃってよ」

「……え…」

「せ、い、し…出そうとしてたんでしょ?」

綾女が呆れたような苛立っているような、そんな表情で言った。


綾女の口から”精子“という単語が出てきただけで、僕の下半身は、また反応した。


そんな僕に綾女は、”早く“と促し、ベッドに座った。

「少しでも触ろうとしてきたら、また叩くから」

綾女が鞭で僕の太股を撫でる。
その感触は、まるで綾女の手で撫でられているようで、僕は酔ってしまいそうになった。
また”気持ち悪い“って言われるかも知れないけど、やっぱり綾女の脚は僕を興奮させる。
綺麗な脚を目の前に出しておいて、見るなって言う方が無理だ。


これが終わったら、このベッドで綾女と寝るんだ…。
その綺麗な脚を撫でて、足の指の間まで舐めてあげる…。
細い体を抱き締めてあげる…。


これから起こることを想像していたら、嘘みたいに簡単に果てた。

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