《MUMEI》
「チクショー…、バカヤロー、我慢したんだからな、…ヤらせろよ…」
「あっ…」
いきなり乳首を摘まれて、更に眼を伏せた伊藤さんが近づいてくる。
俺は…眼を閉じた。
―― 好き……。
…好き……。
俺は…この人が…
好きだ…。
軟らかな唇が深く重なる。
伊藤さんの熱い舌が気持ち良くて、
たくさん吸って貰いたくて、俺は彼の首に腕をきつく巻きつける。
そして…限界まで傍に居たくて、
俺は無我夢中で伊藤さんに跨る。
――覚えている、躰が覚えている……。
昨夜、夢中で…俺は…こうしてキスをした…。
「ヒックっ……好き、好き、好き…好き…、伊藤さんが好きだよー…、助けて、苦しいよ、伊藤さーん…」
俺は…好きって感情に気づいた瞬間、心が止まらなくなった。
「伊藤さんに抱かれたいよー、抱いて、俺…伊藤さんが…欲しい」
「はあ…、ゆうちゃん…、俺だってゆうちゃんが好きで堪んねーよ、もーいきなり寝たってもー許さねえ…、
この躰、全部俺のモンにする…」
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