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《MUMEI》 幻聴〜歩視点〜 ｷｽした後だったのかな･･･？ もしかしたら する前だったかも･･･｡ でもどっちにしろ 失恋だ･･･｡ ははっ･････｡ 笑えねぇな―･･･｡ その時､麗羅ﾁｬﾝの声が聞こえた｡ 『歩･･･！』 幻聴かよ･･･｡ たちわりぃ―･･･｡ でもその幻聴は 何回も俺の名前を 繰り返し呼ぶ｡ ふと見上げると 道路のﾐﾗｰに映った 走ってこちらに向かってくる少女が 目に入った｡ 何でだよ･･･！！ 何で追いかけてくるんだよ！ 放っておけばいいだろ！ 何で"歩"って呼ばれたぐらいで 俺の心臓は ﾄﾞｷﾄﾞｷいってるんだよ！ 何で･･･！！ 麗羅ﾁｬﾝは､俺に追いつき 俺の制服を掴んだ｡ そして俺の服を掴んだまま 下を向き息を整える｡ 『歩･･･？』 麗羅ﾁｬﾝが 俺の名前をちゃんと呼んだのは 初めてだったんだ｡ 前へ |次へ |
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