《MUMEI》
助けてあげようか?
「どの医者かは分からないけど、僕が助けてあげようか?紫音君。」

………。

確かに聞こえたのだ。
高くて優しい声。でも男のものだろう。

天使みたいな、耳障りの良い声

ここは天国かと、錯覚するほどだ。

「いや。ここは天国ではない。君が死ぬのはまだ早いよ。」

心を見透かしているかのような声の主

きっと、俺の前に飛び降りた少年で間違いないだろう。

可愛らしい顔
一見、美少女だ。

「ちょっと。僕は羅刹。君はまだここに来てはいけない。わかった?」

「嫌待て。もう俺死んだから。成仏させてくれ。」

「ハァ?君はまだせいぜい生き霊だよ。それとも、なんか現世に怨みでもあるの?

呆れた様子で羅刹が問う。

「ああ。まあ、なんかが妙に引っ掛かってな。」

「そういうことなら






僕が君の怨み 晴らしてあげる。だから、
僕の主になって?」

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫