《MUMEI》 暁の9日目不意に意識が浮上する。 一瞬自分がどこにいるのかわからなくなるが、すぐに自分のベッドの上だと理解する。 今何時だ? 薄暗い部屋、時計を見ると早朝の微妙な間だった。やたらと目がさえていて眠れそうにない。カーテンの隙間から見える外はまだ薄暗い。 寝返りをうつ、隣ではいつもとかわらず丸くなって眠る背中、ちょっと痩せたか? 「‥‥あつし、起きてる?」 低い声で囁かれる。 「‥‥今起きた」 「そっか」 短く返ってくる返事、背中はまだこちらをむいたままだ。 「‥‥夢みた気がする」 「なんの」 「自分のお葬式」 言葉につまる。 前へ |次へ |
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