《MUMEI》
ウソ……。
俺は起き上がり、脚元に蹴られた毛布をたぐり寄せた。
愛撫で熱った躰が…もどかしい…。
腰がふわふわしてるし……もう……。
「はぁ…伊藤さーん…」
「おい、服着てくれ!」
ジーンズを履きながら慌てた様子で伊藤さんは戻ってきた。
「え…?」
「ゆうちゃんのマネージャーだった!
朝から打ち合わせ入ってたの忘れてたんだとよ。
ゆうちゃん俺と食事に行くってマネージャーに言ってたんだって?
自宅連絡したら帰って来てねーって言われるわ携帯全然出ねーからで、もしかしたらって
俺のマンション調べて来たんだとよ」
「な、マジ?本当!?」
俺は慌ててベッドから降りる。
「今玄関で待ってっから…、くそ…、
ほら、急げ…」
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