《MUMEI》
暗澹の10日目
pm6:02のバイト帰り、何だか最近疲れている。月曜はやる気がでないのは何歳になっても変わらない。
レポートとバイトに追われ、週始めからかなり疲れた。明日の飲み会の約束や、課題、こまごまとした用事のことを考えると頭が重くなる。

あぁ、だりぃ。

三寒四温とは言うけれど、昨日の陽気が嘘のように今日は冷え冷えしている。空は薄曇りで、寒さに拍車をかけているらしい。やっぱジャケットじゃ寒かったな。アイツの言う通り、もうちょい着込めばよかった。

ようやくアパートに着く。代わり映えしないスチールの階段をブーツの踵が叩く。何で俺の部屋3階なんだろ。
かん、かん、かん、
最後の階段を半ばまで上がったとき、声が聞こえてきた。や、他にも人住んでるから珍しいことじゃないが。
どうやら男と女が話しているらしい。まぁこれも珍しいことじゃねーな。
かん、かん、かん、

かん。

階段を登りきれば見通せる真っすぐな廊下、左手にドアが立ち並び、右側に手摺りが、地面のコンクリートはヒビが入っている、その廊下の先、一番奥が俺の部屋だ、その前にいるのは、俺の恋人と、

男?

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