《MUMEI》
『今日課題提出だべ？大学こねぇの』

『だりぃからいかね』

『どんな理由だよ(笑)なんかあったん？』

『なんで』

『おっまえレポートガンバってたじゃん。もったいねぇ』

『別に何もねぇよ』

『まーいいけど。お姫様はお元気？』

『別れた』

メールを送って数秒、再び着信メロディが流れだした。メールをした手前出ないわけにもいかず、俺は嫌々通話ボタンを押した。

｢‥‥もしもし｣

『別れたってマジ！？』

時候の挨拶もなしにソレかい、そう言いたかったが、あまりに鬼気迫る様子に出かかった言葉を飲み込む。

｢‥‥そーだけど｣

『え、何で？ドッキリとかじゃなくて？』

｢ちげぇよ｣

返事は必要最低限だけ。特に話すつもりもなかった。

『何があったん？』

｢いろいろ｣

『何で別れたん？』

｢それもいろいろ｣

『あーもういい！今家だよな？今からそっちいくから！！』

ぶぢっ

いつもと同じ、遠慮のない切り方。つか、くんのかよ。

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