《MUMEI》
野蛮な隣人 9
岡田はベッドにマッサージ機を置くと、千香のおなかに手を乗せて迫った。

「千香。じゃあ、何でも言うこと聞くか?」

「え?」

「俺とホテル行ってくれたら許してあげるよ、どうする?」

「そんな」

すると、岡田はすかさずマッサージ機で千香の股を直撃する。

「あああああん! やめて、ちょっと、ヤダ、ヤダ・・・やめて、やめて」

「やめないよ」

「あああああ! 嘘、あああああん!」

一気に昇りつめて来てしまった。千香は仰け反って慌てふためいた。

「やめて、お願い、やめて、やめて・・・あああああん!」

(ヤダ、どうしよう、イッちゃう!)

「ダメ! ダメなの、わかって、いやあああああん! 待って、待って、待って!」

待ってくれた。

「はあ、はあ、はあ・・・」

完全に遊ばれている。悔しい。

「千香。自慢のその体を、旦那以外の男にも見せて、褒めてほしいという願望があるだろう」

「ありません」

「欲求。いや、欲望と言ってもいいな」

「ありません」

岡田は彼女のおなかを味わうように触ると、言った。

「だって、メチャクチャいい体してるじゃん。これだけの美ボディは見せたくなるよな」

「そんな気持ちはありません!」

「何その生意気な態度は?」

千香は慌てた。

「待って、あたし生意気な態度なんか取ってませんよ」

「取ってるよ。もう絶対に許さないよ」

岡田はそう言うと、千香の枕もとのほうへ行き、ベッドの柵を両手でつかむと、いきなりベッドを押した。ベッドが動き出したので、千香は身じろぎしながら聞いた。

「待って、岡田さん、何をする気?」

「明るいところ行こう」

「え?」

手足を拘束されているから、どうすることもできない。岡田は千香をプールサイドに移動させた。土日は日光浴している男女が多いのだが、平日のせいか、人はいなかった。しかし、三階のレストランの窓からは、千香の姿は丸見えだった。

「ヤダ。レストランから丸見えじゃないですか、恥ずかしいですよ」

「千香。俺のプライドはエベレストよりも高いんだ。それを見抜けなかったか?」

「え?」

意味がわからない。

「それを無理やり謝らせるとはいい根性してるよ」

「待って」

「待たないよ。俺を怒らせるとどうなるか、今から教えてあげるね」

「やめて、やめて」

千香はひたすら哀願した。まさかみんなが見ている前でマッサージ機で責める気か。それだけは許してほしかった。

「お願いします、岡田さん、許してください」

「許さない。だって俺、Sだから」

「え?」

「おまえはMだろ?」

「違います」

「おまえがドMだということはわかってる。恥ずかしい姿を人に見られると興奮するタイプだろ?」

無抵抗で絶対に逆らえないからといって、あまりにも酷い。卑怯な男だ。千香は岡田を心底軽蔑したが、今は顔にも出せない。

「お願い、意地悪はやめて」

「ヤダ。千香みたいなとびきりに美人の困り果てる姿って見てみたいじゃん」

「お願い、やめて」

岡田は究極のSだ。千香の想像をはるかに超えた、考えも及ばない残酷羞恥プレイを企んでいた。

「行くぜ、千香。出血大サービス!」

笑顔でそう言うと、岡田は千香の水着の紐を引っ張る。彼女は顔面蒼白になって懇願した。

「やめて! それだけはやめて、それだけは許して・・・あああああ!」

ブラジャーを剥ぎ取られた。豊かな胸が露わになる。千香は現実に心がついていっていない。岡田は面白がって最後の一枚も奪い取る。

「やめて!」

ついに素っ裸にされてしまった。千香は真っ赤な顔で横を向き、歯を食いしばり、あまりにも現実離れした悪夢に気が動転していた。

だが、それだけでは終わらない。岡田は千香の裸の股にマッサージ機を押し当てたまま、置く。強烈な振動が千香を窮地に追い込む。

「いやあああああん!」

「さようなら」

岡田はおなかをポンと叩くと、千香をそのまま置き去りにして行ってしまった。

「待って、助けて!」

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