《MUMEI》
露出願望 7
軽く指圧すると、真壁は千香のお尻をパンと叩いた。

「あっ」

「じゃあ、次は仰向けになれ」

千香はムッとした顔で仰向けになると、真壁を怖い顔で睨んだ。

「真壁さん。今みたいなことはやめて」

「今みたいなこと?」

「お尻叩くのは失礼ですよ」

一瞬の沈黙。すると真壁は千香の左腕をつかみ、枕もとに上げた。何とベッドの四隅には手枷足枷が始めからついている。千香は気づかなかった。

「待って、違うのやめて」

「うるせえ」

左手首を拘束されてしまった。次は右腕だ。

「ヤダヤダヤダ・・・やめて、やめて」

力では勝てない。あっさり両手をバンザイの形でキッチリと拘束されてしまった。バスタオル一枚なのに手足を縛られたら、間違いなく犯される。千香は慌てふためいた。

「真壁さん待って、待ってください」

「待てねえ」

「あああ!」

両脚も大股開きの状態で拘束されてしまった。バスタオル一枚の姿なのに、両手両足を拘束されて、千香は危機一髪だ。

「やめて、真壁さん、酷いことはしないで、一生のお願いです」

「かわいい」

真壁は完全に興奮状態だ。目が危ない。

「千香。どんな気分だ。旦那以外の男に捕まっちまったぜ」

「やめて」

無抵抗は怖い。たまらない緊張感だ。ハラハラドキドキが止まらない。

「千香。旦那以外の男に大切な体を支配されちまうんだぞ。どうする?」

支配と聞いて千香は身じろぎした。

「それだけは許して、困ります」

「困る?」

「困ります。わかってください」

本気で怯えている千香がたまらなく愛おしい。真壁は彼女の頬に手を当てた。

「千香。正直に答えろ。強い男に自分の大切な体を支配されてみたいという願望があるだろう?」

「ありません」

「屈強な男にメチャクチャに犯されてみたいっていう願望・・・」

「ありません」

即答する千香が気に入らない。

「いいぜ。そういう生意気な態度なら」

「生意気な態度なんか取ってません」

無抵抗にされた場合、女の子は哀願することしかできない。生意気な態度を取ったら好きにされてしまうからだ。

「真壁さん、ほどいて。怖いわ」

「怖いか?」

「怖い。絶対やめてね。約束は守って」

真壁はバスタオルの上から千香のおなかを触ると、迫った。

「甘いな奥さん。俺はひと目会った時から、千香のことが気になってたんだ」

「え?」

「惚れた。マジで惚れた。その惚れた女が、今目の前にいて、無防備にも大切な体を投げ出してしまっているんだ。こんなチャンスは一生に一度だ」

「待って」千香は蒼白だ。

「惚れた女が半裸で手足縛られているんだぞ。犯すだろう、普通?」

「普通は許してくれます」

「普通は犯すだろ」

「その惚れた女がやめてくださいってお願いしているんですよ。気持ちを無視するんですか?」

千香も必死だ。

「何もしないで解放してくれたら深く尊敬します」

「尊敬されても一文の得にもならねえ」

「あたしの気持ちはどうでもいいんですか?」

「許したところで、感謝はされるだろうが、おまえは旦那のもとへ帰るだけだ。俺には何一ついいことはねえ」

どうすればいいか。千香は頭を急回転させた。暴漢や強姦魔ではないのだ。知らない仲ではないのだから、言葉が通じるはずだ。

「真壁さん、もしも許してくれたら、裸を見せてもいいわ」

「マジか?」真壁は目を丸くした。

「その代わり、ほどいてから」

「ダメだよ。縛ったまま見たい」

緊張する。手足を縛られたまま全裸を晒したら、真壁は興奮してしまうかもしれない。レイプの危険が高まる。

「絶対見せますから、ほどいて」

「いんや、裸を見せるのが先だ」

言い終わらないうちに、真壁はバスタオルを剥ぎ取ってしまった。

「あああああ!」

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