《MUMEI》 SMホテル 6千香の哀願を無視して、小田切は黙々と準備をする。千香はもがいた。SMホテルの装備で拘束されている以上、自力でほどくのは無理だ。 「小田切さん、本当にやめて。話は聞きますから」 「何?」小田切が笑顔で聞く。「結婚してくれる?」 「・・・します」千香は真顔で小田切を睨んだ。 「嘘だね」 「本当です。どっちみち、ネットで晒し者にされたら、あたしは全てを失いますから」 小田切は千香に歩み寄ると、やさしく体を抱き締めた。 「あっ・・・」 「千香。全ては失わないよ。オレが君を手放さないから」 千香はされるがままに任せていたが、小声で囁いた。 「お願い。ネットはやめて」 「じゃあ、オレのプロポーズを受けるという証拠を見せてもらおうか」 「証拠?」 小田切は千香を離すと、情熱的な目で見つめた。 「ベッドに寝な」 「・・・・・・」 逃れられないか。とうとう体を奪われてしまう。千香は唇を噛むと、静かに頷いた。 「よーし」 観念してしまうヒロインは美しい。小田切は千香の戒めをほどき、手を取ると、キングサイズのベッドに連れていった。 「寝な」 千香は無言のまま、ゆっくりとベッドに上がり、仰向けに寝た。惚れた女の全てを奪う。小田切は考えただけで興奮した。 「手足を縛るぞ」 「抵抗しないからやめて」 「ダメだ」 小田切は千香の両手両足を手枷足枷でキッチリと拘束した。これで完全に逃げられない。千香は胸のドキドキが止まらない。大股開きにされて赤面した。大開脚は上品な千香にとって屈辱的なポーズだ。これがSの基本なのだろうか。 「千香。どんな気分だ」 「怖い」 「手足を縛られたまま犯されたいっていう願望があるだろう?」 「ありません」 小田切は、味わうように千香の豊かな胸を触り、セクシーな美ボディをソフトタッチで責める。 「千香。おまえは、本当に魅力的な体してるな。愛してるよ」 「小田切さん」 「何だ?」 「愛撫だけじゃダメなんですか?」 小田切はわざと怖い顔をする。 「そういうふざけたこと言うと、不良少年を呼んじゃうぞ」 「わかったやめて」 「飢えたガキどもに、この大切な体を嬲られるのは嫌だろ?」 「ヤです」 緊張している千香がかわいい。小田切はおなかを触りながら脅す。 「それとも、今からでも生中継しちゃおうかな」 「待って、それが嫌だから言うこと聞いて手足を縛らせたんですよ」 「女の子が。しかも主婦があっさり手足を縛らせるなんてダメじゃないか。M子の証拠だぞ」 神妙な顔をする千香に、小田切はさらに言葉責めで緊張させる。 「千香。ベッドに素っ裸で大の字に拘束される。これが女の子にとってどれだけ危険なことか、今から教えてあげるな」 「え?」千香は身じろぎした。「待って、変なことはしないで」 「変なこと? するよ」 「やめて」 小田切は、500mlのペットボトルのような瓶を持ってきた。 「千香。これが何だかわかるか?」 「わかりません」 「これは媚薬だ」 「ヤダ、やめて!」千香は慌てた。 今はインターネットがあるから、興味さえあればいくらでも情報を入手できる。エッチでMな若い主婦の千香が、いろんなことを知っていても不思議ではない。 「千香。媚薬で責められたことがあるのか?」 「ないわ」 「じゃあ、いい経験だ」 「やめて。あなたはテクニシャンなんだから、そんなもん使わなくてもあたしを落とせるでしょ?」 千香の必死さがかわいい。小田切は燃えに萌えた。 「そんなこと言ってオレを喜ばせようと思っても無駄だぞ。体を奪うのは簡単だ。無抵抗なんだから犯せばいい。でもオレは身も心も両方欲しい」 「やめて」 前へ |次へ |
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