《MUMEI》

「何やってんの」
「すいません‥‥」
「大丈夫?調子悪いなら帰っていいわよ」

気だるげなモンローに一応は頷いておいて、鉢植えを移動させる。

その間も頭は別のことを考えている。

今も15分ごとに確認する携帯電話、やっぱり連絡はない。
一人で考えさせられる時間があればあるほど、後悔が津波のように押し寄せる、溺れる。
今まで何度もケンカしてきたが、連絡がとれないなんてことはなかった。どんなに怒っていてもアイツは強情ではなかった。
今こうして連絡がとれないということが、俺と彼女の決定的な溝を体現しているようで怖かった。

ぶぶぶ、ぶぶぶ、

ポケットに感じる携帯の振動、急いで取り出す、アイツか?

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