《MUMEI》 絡みあう私の部屋につくや否や、久喜さんは私に向き直る。 私も気を引き締めて警戒しながら次の言葉を待った。 「ナカちゃん、本当に喋れないの?」 こくりと頷く。 「そっか。じゃあゲームしようよ。俺が何をしてもナカちゃんが声をださなかったらナカちゃんの勝ち、もし声を出せたら俺の勝ち」 え、いきなり何言ってるのこの人は……? 私とゲームって、そんなことして何になるの? 「ゲームするからには何か賭けようよ。んー、そうだなあ……」 やるなんて一言も……って、喋れないんだから何も言えないんだった。どうしよう。母さん達は私とこの人が二人きりになっても大丈夫って思ってるっぽいし…… なんかこの人、ちょっと危険なニオイがする。 前へ |次へ |
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