《MUMEI》

〜翌日〜

ブブブッブブブッ

「はい、お疲れ。どうした?」

「どう、昨日の話。メールするならメアド教えるよ。」

「うーん、やっぱいいや。仕事も忙しいし…いまいち気がのらないんだよねぇ。」

「あ、ちょっとまって。」

この時、電話の奥に相手の子が居たのだろう、俺が言ったことを伝えていた。はっきりとは分からないが微かに話し声が聞こえていた。

「もしもし」

「もしもし、ごめんなぁ。なんて?」

「あのねぇ、このヘタレめっだって(笑)」

「なんだと!?」

この時、俺にはよくわからない変な意地が働いていた。

「ヘタレだって!?いいよ、メールしてやるわ。メアド教えろ!!今日の夜にでも送るわ。」

俺はメールアドレスを健太に送ってもらい、送るのは夜中になるぞと言って電話を切った。

疫病神はゆっくりと確実に俺に近づいてきていたんだ。

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