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《MUMEI》 あいつは何処へいったんだ？ 携帯をいじる、いくら電話をかけてみても繋がらない。何度となく聞いた留守番電話サービスのアナウンスを聞く。 実家にも帰ってないとしたら、考えられる可能性は病院だ。 大学進学でこのアパートに越してきたときにもらったタウンページを開く、黄色い表紙、病院の欄。もしそうならそんな遠い病院にはいないはずだ、俺のアパート、アイツの実家、学校付近にある病院に、片っ端から電話をかけるしかない。 病院、病院、病院、病院、 返ってくるのは事務員の無機質な声のみ、“ソノヨウナオ名前ノ患者ハ当病院ニハ入院シテオリマセン”。 十何件目、携帯が虚しい音をたてて充電が切れたことを告げた。 前へ |次へ |
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