《MUMEI》

俺は街の中を歩いていた。
公園、コンビニ、、図書館、ファミレス、本屋、ネカフェ、漫喫、
思いつくところ全て捜し回るしかなかった。それこそ街中の建物という建物すべてをだ。
しかし、恋人の姿はどこにもない。
効率の悪い方法だということは嫌というほどわかっていた、それでも一縷の望みを託して、とにかく探すしかない。

ふと目の前を歩く女に目がいく。
くるくるしたロングヘア、華奢で小さい後ろ姿、白いブーツ。
見つけた。
心臓が高鳴る、前を歩く女のもとに走り寄る、あぁ今すぐ抱きしめたい、愛しい愛しい恋人。

「はる、」

行く手をふさぐように声をかける、恋人でも何でもない他人が怪訝そうな顔をして俺の横を通過していった。

俺はただひとり立ち尽くす。

一回持ち上げといてズドーンだなんて、ただ崖から突き落とされるよりタチが悪い、悪すぎる。神様アナタは人を陥れる方法をよくご存知ですね、ぶっちゃけそんな神様いらないですよ?
あぁもうなんか笑いだしてぇわ。ふはは、はははは。

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