《MUMEI》
生徒会選挙。
最近新斗の様子がおかしい。
話しかけても上の空で、「そうか」しか返事が返ってこない。
何かあったのか聞いても「そうか」しか返ってこないので埒があかない。
「すまねえ新斗。ずっと黙ってたけど、2年半前に新斗が大切にしてた初めて作ったガンプラが破壊された事件の犯人、俺なんだ」
突然の響介の告白に僕、ミクちゃん、美鶴は愕然とする。
「そうか」
これは重症だな………。
完全下校時間になると、新斗は魂が抜けたようにフラフラとした足取りで部室を後にする。
「………どう思う?」
「いや、やべえだろ。脱け殻だぜ?あれじゃ」
否定しきれない。
「一体どうしたんだろう………。そろそろ新斗くんにとって大事な時期なのに」
ミクちゃんが言う。
「大事な時期?」
「生徒会選挙だよ」
クエスチョンマークを浮かべた僕に美鶴が答えた。
「あー、生徒会選挙かー。もう三学期なのに、変な時期にするんだね」
「一応付属学校だからな。受験がない分そういう役員をギリギリまでできるんじゃねえの?」
「なるほどね」
正直生徒会にまったく興味がない。新斗が生徒会役員でなければその存在すら知らなかっただろう。
「そういえばこないだ会長職に立候補するつもりだって新くん言ってたなー」
どうやらこれからも生徒会を続けることは決定的らしい。
だけど、今の新斗はどこかおかしい。
あんなにも府抜けていて大丈夫なのだろうか?

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