《MUMEI》
「覚悟しろ」
レヴィアタンの腕が伸びる。ゴムゴムの実でも食べたのかな?
完全に不意を突かれ、足を掴まれ、天に飛ばされる。
「うわぁぁあああ!」
高い!めっちゃ高い!
腕を元の長さに戻したレヴィアタンは翼を広げ、天空へ飛び立つ。
その勢いのまま、俺の腹部に何発もの拳を叩き込まれた。
「ぐふぅっ」
神聖鎧装を身に包んでいるとはいえ、痛いものは痛い。
こちらからも応戦するが、身動きの取れない空中では、レヴィアタンに劣る。
〆のカカト落とし。はるか空中から地面に叩き落とされる。
マジで神聖鎧装が無ければ即死だった。
「ぐ、うう………」
それでもダメージは絶大で、落下直後は流石に身動きがまともにできなかった。
「なんだよ。あんな生意気な事を言っていたのに、全然弱いじゃないか」
空中で腕を組み、見下ろすレヴィアタン。
「こっちはまだ半分の力も見せてねえってのに」
「うっせえよ。ってか、今のやられるフラグだかんな」
自分でも負け惜しみだということはわかる。
本当だったら今すぐにでも逃げ出したい気持ちでいっぱいだが、笹屋の事がある。
あんなにデカイ口きいといて、俺が逃げ出すなんて、有り得ない。
どうにかしてでもレヴィアタンを倒し、笹屋を救いだす。
そのために、今はもう出し惜しみするわけにはいかない。
「本当はもっと良い感じの時に出したかったんだけどね」
右手に神聖力を集中させる。その際に白く輝く。
「それに疲れちゃうのも、考えものなのよね」
その輝きは衰えることを知らない。グルルヌですら目をまともに開いていられない。
「大いなる天界の宗主よ、我、契約に則りここに請い願わん。我に仇なす魔界の眷族に絶えぬ神の裁きを与えたまえ……!」
バババッ、と体を動かし、最後に掌を地面に付ける。
「シャイン・リヒト・ルーチェ・クラルテ・ルミエール!!出でよ聖剣!エクスカリバー!!!」
地面に光輝く紋章が画かれ、腕を引くと、黄金の剣が姿を現した。
エクスカリバーの柄を握り、その剣先をレヴィアタンに向けた。
「このエクスカリバーは完全無欠、最強無敵だ。―――――――覚悟しろ」

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