《MUMEI》
保身。
あれからボクら五人はまた部室へ行った。
完全下校時刻まで、まだ時間はある。
「さて、話を聞かせてもらおうか」
風影が仕切る。何故か皆はボクを囲むように位置付いた。逃げないのに。
「話をする前に一つ約束してほしいことがある」
そう言い出すと、ピリッとした空気が張り詰めた。
響介の言え、というアイコンタクトを感じ取り、口を開く。
「逆上して殴ったりする行為を禁じたい」
「保身の心配かよっ!何事かと思ったわ!」
自分の身を案じて何が悪い。
「まぁそこら辺は響介限定の禁則事項だね」
「あまり手が早すぎると女の子に嫌われちゃうよ響くん」
「し、しねーよ殴ったりなんて!」
「みんな、静かにしようよ」
逆間の一声で部室内に沈黙が訪れた。
逆間はキレると迫力があるな。
「いいよ新斗くん。話して」
「ああ。実は――――――…」

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