《MUMEI》
「遊びに行かない?」
嫉妬の悪魔、レヴィアタンを撃退して一ヶ月が経った。
その間悪魔は何人もの人間を操り、俺の前に現れる。
七つの大罪を司る悪魔がレヴィアタン以降出てこないのはいいのだが、雑魚とはいえ、さすがに出現率が高すぎる。もう疲れちゃったよ。
昨晩、グルルヌに叩き起こされ、しぶしぶ出動したために寝不足だ。
大きく口を開けながら欠伸をしていたら、後ろから肩を軽く叩かれた。
「眠そうだね、葉月ちゃん」
吉倉伊桜だった。
ちなみに、伊桜の記憶は完璧に消去されてしまった。だから俺の事を勇者だと知らない。
ま、いいけど。
「明日休みだけどさ、遊びに行かない?」
「行こう」
「うわっ、即答て」
断る理由などない。
「どこ行くかって決まってんの?」
「いや別に何もまったく」
「ほんとに一切決まってないのね」
なんだそれ…………どこへ行くというのかね。
「適当にぷらぷら〜ってしたくなってね」
「ふーん、んじゃあ中央駅付近でどっか遊ぼっか」
「うん!」
こうして伊桜と遊びに行くことになった俺こと如月葉月。
だがしかし、当然のように事件に巻き込まれてしまう。
もはや不幸体質と言っても過言ではないだろう。
ほんと、なんであんなことになったんだろうな。
おっと、これ以上はネタバレになってしまうので、ここらでドロンさせて頂くでござる。

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