《MUMEI》

「おい、拓海!どういうことだよ!美香を殺す気か!」


「まぁ落ち着いて落ち着いて、ただ眠らせてるだけさ」


拓海は怒りを抑えきれずにいる僕の頭を優しくなでた。


「…で、眠らせてどうするの?」

「実験さ」


「……え?」


「あの女の香りは普通の人間の香りじゃなかった…そう言ったよな?」


「ん…まぁ」


「今からそっちに向かう。案内しろ」

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