《MUMEI》

僕は小さな木の椅子に座った。

座り心地が良くて、思わずうとうとしてしまった。


「紅茶とコーヒーどっちがいい」

「あ、紅茶で」


「ん」


紅茶まで出してくれるんだ…


(意外と優しいんだな)


しばらく窓の外を眺めていると、食器のカチャカチャとした音が聞こえてきた。


「ありがとう」


「別に」


拓海は白いシャツからネクタイを外し、襟元を緩めた。

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