《MUMEI》
これから先の涙全て
   〜歩視点〜


お父さんに

置き去りにされたのか・・・


だからこんなに

誰かが離れていくことに対して

敏感なのか・・・。


辛い過去が

あったから・・・。


今まで離れていくことが怖くて


友達を作らなかったのかな・・・?


麗羅チャンを抱きしめている腕の力を


少し強める・・・。


俺は、離れていかないよ。


何があっても・・・。


「麗羅チャン・・・?

辛いなら俺を頼って。


麗羅チャンの力になりたいんだ。


ずっと麗羅チャンの側で

麗羅チャンを支えたい。」


麗羅チャンは

俺の胸の中で

少し声をあげながら泣いた。


そして

『ありがとう。』

と繰り返し呟いた。


麗羅チャンから

流れ落ちる涙は

これから先ずっと


俺が受け止めるから。


どうか麗羅チャンの悲しみが

少しでも


小さくなっていきますように・・・。

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