《MUMEI》 鏡Uロックはすすり泣くセリスの肩を抱き寄せ、優しく頭を撫でる。彼女がこんなに人に弱みを見せることはないと思っていた。だからこそ、愛しさが込み上げて来た。 「なあ、セリス、俺の話このまま聞いててくれないか?……俺はお前がずっと苦しんでるのがわかっても何もしてやれなかった。すまねぇ…」 「俺はお前を守る、絶対に。……サウスフィガロで出会った時もそう言ったんだっけな」 「ロック…」 「愛してる」 ロックはセリスの肩を抱き寄せた。セリスはロックの胸でしばらく涙が止められずにいた。そんな彼女をロックは優しく抱き寄せ、絹のような金髪を撫でていた。 「落ち着いたか?」 そう言ってロックはセリスの涙を指で拭う。セリスの瞳はまだ潤んでいた。 「ロック…一緒にいて、一人にしないで…」 ロックの手を握った。 ロックは彼女の顔を引き寄せ、キスをする。何度も。セリスは腕をロックに絡めて、長い長いキスをした。ロックははじらうセリスの様子に気持ちが高まって、首筋にキスをしながらセリスの胸に手をのばした。セリスの薄い服の上から、その感触を探る。 「…っ!ロック??」 セリスはびっくりしたようだった。耳まで赤く染めている。 「ゴメン…お前があんまりかわいいからさ。…でも今日はもう充分。お前の気持ち確認できたからな」 「いいよ、もっと…」 セリスはそう言ってロックの手を取った。 「セリス…でも…」 「ずっと、ずっとロックのこと好きだった…でもこの思いを告げるのは、生きたいと願うのは罪だと思ってたわ…でも今はロックの中の自分を確かめておきたいの…」 二人はそのままセリスの部屋に向かった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |