《MUMEI》

店長は32歳で奥さんもいて
子供は3人居た。

そんな店長を私は兄の様に慕っていた。

「玲奈は今度の日曜日空いてる?」

「はい。空いてます。」

「皆で飲みに行かないか?」

「飲みにって…私未成年ですけど?」

そんな会話が始まった。

新人も入った事だし、社員と店長が自腹で食事に連れていってくれるという話だった。

「あはは。ジュースもあるから大丈夫だよ。玲奈は可愛いなぁ。」



玲奈は可愛い…

それが店長の口癖になろうとしていた。

「はぁ…じゃあ行きます。何時からですか?」

「19時から。駅裏の飲み屋な。」

「わかりました。じゃあ帰ります。お疲れ様でした。」

「おぅ!お疲れ!気をつけて帰れよ。」


休憩室を出てゆっくりドアを閉める。
夜勤のアルバイトが暇そうにフロントに立っていた。

お疲れ様です。と声をかけると、だるそうな声でお疲れさんと返してくれた。

もう0時を回っていた。

《今日は疲れた…帰ったら寝よ。》

明日は学校だ。
また眠たい授業が待っている。
だが、その頃の私は1番輝いていたと思う。

私には彼氏もいる。
バイトもうまくいっている。
学校も楽しい。


こんなに幸せな事はないと思っていた。
その時は…。

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