《MUMEI》

バイト先のビルに着くと、もうすでに先輩たちと店長が待っていた。
社員の岩間(イワマ)さんがまだ来ていないようだ。

「岩間は日勤の途中で退勤してくるから。」

と店長が言うと
え〜ずるい!途中で退勤とかありえへん!なんて野次が飛んだ。

店長はすこしおどけて、頭をかいた。


19時…
飲み会が始まる。
私を含め7人だけの飲み会。
私が知らない朝番や夜勤の先輩が居た。

飲み会でありがちな、ぶっちゃけトークが始まる。

女は私を含め3人だった。

社員がいきなり
「店長!この女性陣の中で、彼女、嫁さん、愛人にするならどうしますか?」

なんて事を聞くのだと思った。
あろうことか、店長もそれに乗る。

「そうやなぁ…愛人にするなら福永(フクナガ)やなぁ。秘密を守ってくれそうやから!あははっ」

そうきたか。
確かに愛人系だなと納得する私。

「嫁にするなら…多山かなぁ。細かい仕事もしっかりやってくれるからな。」

あぁ…確かに間違いない。
彼女の仕事は完璧だったから、これもまた納得。

「彼女にするなら、これ断然玲奈やな。お前甘えたやし、仕事ではつんつんしてるけど、二人でおるときは甘えてきそうやし。俺はそういうの好きやからなぁ。」

びっくりした。
店長に甘えたことなんて一回もないのに、見抜かれたのか。

普段の行動がそう見えたのか…。

ただ、だんだんそんなことを言う店長に惹かれ始めていた。

でも、その時の私は、その気持ちに気付かなかった。

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