《MUMEI》
揺れる想い
昨夜の一條との一件で菜々は心の中がグチャグチャだった。
男の人に抱き締められたのは二度目だけど、どうしても戸惑ってしまう。
今まで菜々は男から告白された事もないし、付き合った事もない。だから余計に戸惑っているのかもしれない。それに自分は魅力がないんじゃないか?と思っていた。だから今回の出来事は驚いたし、信じられないのだ。
それに佐山さんとの事もまだ解決していないのに、頭がこんがらがって訳がわからなくなりそうだった。
「一條君とどうやって接していこうか…。」そんな考えが頭をよぎる。
今日もまたバイトだし一條や佐山と会わなければならない。
店長にお願いしてバイトのシフトを変えてもらったとしても、一條とかぶる日は必ずあるだろうし…。
悩みまくる菜々。
最終的に一條には普通に接していこう。今度何か言われても動じない様にしなきゃ。もちろん佐山さんにも、という結果に辿りついた。取りあえずしたくをしてバイトに行こうとした。

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