《MUMEI》
始まる。
生徒会長になると宣言してから、冷静になって考えてみると生徒会選挙まで二週間を切っていることに気付き、肝が冷えた。
立候補をすること自体は大丈夫なのだが、本来ならばとっくに申請書を提出し、演説などの準備に取り掛かっている頃だ。
何も終わっていない。
応援演説は逆間に頼むことにした。不思研の中では最も知名度があり、成績優秀だからだ。多少打算臭いが、もう時間がないのだ。四の五の言ってられない。
自分用の演説の原稿も書き上げなければならない。短時間で仕上げなければならない以上、不本意極まりないが、内容はでっちあげる。
不思研が初めてひとつになったかもしれない。
とにかく大変だった2週間はあっという間に過ぎ、いよいよ生徒会選挙が始まる。

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