《MUMEI》 しかし目の前の女は、はじめて不愉快そうな表情を浮かべた。 「それはこの格好から連想したのかしら?だからこの制服いやなのよね」 「制服?」 「そうつまり私は神様なわけ」 至極真面目な顔をして女は言った。 再度結論。 精神科に通院するべきはこの女だ。 「その顔は信じてないわね」 「当たり前だ。そもそも僕は無神論者だからね」 「なるほど。その思考はあながち間違いではないわ、あなたたちが“神様”と崇めるところのキリストや仏陀は存在しないし」 「仏陀は仏だよ」 「どっちでもいいのよ、そんなのは。つまり、あなたたちが信じるところの“神様”は存在しないけれど、私たちは存在している」 僕は2日間着た切りのトレーナーの裾をいじった。 前へ |次へ |
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