《MUMEI》

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一瞬の空白。

おそらく僕の口と目は大きな真円を三つ作っていたと思う。

「‥‥何よその顔は」

「もう少しマトモな嘘をついたほうがいいよ、海の神や樹の神がいるというならわかるけれど」

「海の神も樹の神もいるわよ。逆に言えば海の神も樹の神もいるのに、なぜパソコンの神様が存在しちゃいけないわけ?」

「字面が読みづらい上に自分だけ様付けというのがいかにも胡散臭いね」

「どうしても信じられないのね」

緑色の瞳がきゅうっと細められる。

「なら連れていってあげましょう」
ひやり、冷たい感触。女の細い指が僕の額に触れていた。

ぱちん。

はじける感覚、背景がすべて反転する。
歪む視界、明滅。



薄暗闇、


漆黒。


馬鹿な、何だコレ。


闇。









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