《MUMEI》
魂と焦燥感。
庶務、会計、書記と演説が終えた。
「現生徒会長の泉佐野明日香さん。応援演説をお願いします」
「はい」
生徒会顧問の教師の指示に泉佐野生徒会長が短く返事をする。
その時の声量は拡張機具を使っていた教師と同じくらいの声量に感じた。
威風堂々とした姿勢で壇上に立ち、マイクに向かい、声を放つ。



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ヤバい。道中、しんどそうに重い荷物を運んでいたお婆さんを手伝っていたらとんでもない時間になってしまった。
だってまさか学校とは真逆の駅に向かうだなんて思わなかったんだもの!
携帯電話で現在時刻を把握。ミクちゃんや美鶴からメールと着信が殺到していた。最新のメールを開くと、もう始まっているようだ。
ここで力尽きてもいい!もっと加速しろ!ライトスピード!!



―――――――――――――――――――

まるで魂の演説だった。それほどの迫力が泉佐野生徒会長にはあった。
スタンディング・オベーションとまではいかないが、あまり関心の持たない一般生徒も泉佐野生徒会長の演説に聞き入っていた。
だが、いくらここで生徒達の関心を惹こうが、応援演説でしかない。
次は埜嶋の演説だ。

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