《MUMEI》

「おい、エルザーディル」
「なんだ」
「今日式典があるんだろ?王宮魔法士任命の。そろそろ行かないと始まってしまうぞ」
「いや、大丈夫だ。王宮魔法士の任命の後に、俺達、魔線修繕士の任命があるから」
「そういうもんかね…」
エルザーディルと呼ばれた青年は17歳ぐらいに見えるが、まだ幼さをほんのり残している。
綺麗な顔立ちをしており、青みがかった銀色の髪の毛のせいで、よりいっそう人の目を引いていた。
「まぁ、これからはここを訪れることも少なくなるかもな」
「そうか。アイラージェが寂しがるな。たまには来いよ」
「はいはい。じゃあ、行ってくる」
「魔線修繕士、がんばれよ。」
「ああ」
エルザーディルは友人らしき人に軽く手を振り、その場から去って行った。


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