《MUMEI》
コワイ先輩(学園もの)1の2
「柘馬君大好きだよ。
君を一目見ただけで思った。君を抱いてみたい、と。
可愛らしく笑う笑顔と、その細い体。
幼さの残る声。甘い香りのする君のにおい。
女の子に優しくしている君を見て、嫉妬を覚えたよ。
でも我慢したよ。柘馬君はモテるからね。
時々わざとやっているのかと思ったよ。僕を嫉妬させるために。
でも大丈夫。今日の今から柘馬君は僕のものだ。
二人で愛し合おうじゃないか。年をとってもずっと一緒だよ。
僕から離れるだなんてだめ。
……いや、離れてもいいよ。
そのかわり地のはてまで追いかけていくからね。
僕の心を君でいっぱいにしてくれ。
君以外いらない。
どんなものでも捨ててあげるから、ほら。




僕の腕の中においで」

俺は声が出なかった。
そして恐れた。

男同士とかそういうものの前に、隆久先輩の愛の深さに。

そして黒さに。

そのあとどうやって部室から出たかは分からない。

ただ気がついた時には全速力で家に走っていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫