《MUMEI》

「それにしてもあんまりです。逃げ出そうとは思わないんですか」

「思ったことないな。所詮は神だし、自分の与えられた仕事をきっちりこなすだけだね」

僕は少なからず感動した。なんとも神様らしい神様だ。

「いい人なんですね・・・」

「そんなこ、ぴぎひぃぃぃ!?」

穏やかな笑みを浮かべていた核の神の目が途端に奇声をあげて白目を剥く。

「ヒャァッハー!てめぇ人間だなァ?!人間なら人間らしく神様の言うこと聞きやがれェ!!」

紅い髪の神様は、多重人格でした。

「アぁァぁ、早くどっかに核爆弾を打ち込みたいぜェ!!!くそったれた人間どもを皆殺しにしてやりてぇぇぇぇ!!こら人間!!早く俺様をここから自由にしろ!さもねぇとてめぇのチンポコ核爆弾で消し去るぞォッ!!」

汚らしい唾を吐きながらわめく姿はそのへんのヤンキーそのものだった。
パソコンの神が俺の手をひっぱる。

「だから言ったでしょ?平和の神様がようやくアイツをああやって拘束してんのよ」

「僕の認識が非常に甘かったな」

僕は頷いた。
たしかに神様たちの世界は奥が深い。

「あの人も生まれたばかりの頃はあぁじゃなかったのよ。核を生み出した‥‥えぇと、なんだったかしら」

「アインシュタイン?」

「そう。アインシュタインだって最初は核兵器なんて作るつもりはなかったもの。馬鹿な人間たちが核の神様を狂気に駆り立てたんだわ」

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