《MUMEI》
始まり
チュンチュン ピチチ…
「んんーー!っはぁ!今日もいい朝だなー。」
私はそう言ってベッドから起き上がり、着替えを始める。
コンコン。
『失礼致します。姫乃お嬢様、朝食の用意が出来ました。お運び致しますか?』
入ってきたのは執事の佐々木太輔(ささきたいすけ)。
そして、[姫乃お嬢様]こと、私が宝城姫乃。
「んー。そーする。」
私は気だるく返事を返し、着替えを続ける。
『かしこまりました。本日のスケジュールはお伝え致します。では。』
佐々木はそう言って一例をし、部屋を出て行った。
「よし、これとこれと…」
一つずつ確認しながら鞄に入れていく。
「おっけ!でーきた♪お腹すいたなぁ〜」
昨日の晩から何も食べていないので、今にもお腹が鳴りそうだ。
コンコン。
「失礼致します。朝食をお持ち致しました。」
なんとまぁピッタリのタイミングだ。
「わぁい!いっただっきまぁーす。」
私が食べ始めると、佐々木が今日のスケジュールを読み上げていく。
『それでは本日のスケジュールをお伝え致します。本日は姫乃様は学校がありますので午前7時30分にお送りし、午後4時30分にお迎えに上がります。今晩はお帰りになられてからダンスパーティーがございますのでお早めに着替えていただきます。』
「ごっくん。ダンスパーティーなんかあったっけ?」
『はい。サン・チルド王国、レン王子からご招待を受けております。ご出席なさらない訳にはいきません。』
確かレン王子ってあの可愛い王子だったっけ。小さい頃からよく遊んだなー。
「おけ。どーぞ続けてー。」
『ダンスパーティーは午後7時からとなっておりますので1時間前の午後6時には王宮へ向かわねばなりません。なので出発は午後5時30分とさせて頂きます。』
なに!?
「んぐっ!はやっ!!帰ってから1時間しかないじゃん!んー今日着るドレス決まってないのにー。」
まぁ仕方ないか。
『ドレスの方は私佐々木が選ばせていただきます。』
お、さすが執事。あーそかそか。こーゆぅときの執事だもんねー。じゃ、お願いしとくか。
『お嬢様。』
ん?え、なんかやらかしたっけ?
「な…なに。」
若干引き気味で答える。
『もうお時間が。』
あ。私は急いで時計を見た。時刻は7時17分。やばい。
「もっとはやくゆえーーーー!!!」



作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫