《MUMEI》

謎多き神部共に後輩、顧問、乙矢、そして幽霊部員高遠と久し振りの全員集合だった。
こんなに放送部って人数いたんだ。感動。
「ドキュメント部門は前々から密着していた映像も使ってまとめて行きたいと考えてます。」

乙矢の簡単説明も冴え渡り終わって、後輩達の雑談が聞こえる。


「一年生もアナウンスや朗読に出たらどうかって考えてるんだけど、どうかな。アナウンスは乙矢が一回出たことあるし、ホラ、朗読も大先輩がいるからね。」

ちょっと七生を自慢してみた。


「俺はドキュメントで先輩に付いて勉強させて下さい!」

安西は既に諦めたらしい。

「あんざ〜い、先輩命令だ!てことで宜しく。」

七生が無理矢理誘う。安西はイジられキャラだ。いつも七生だったから嬉しそうだ。


「他の一年も出して下さいよ〜!な!」

安西が周りに目配せする。後輩達はもう仲良くなったようだ。



「神部ちゃん出ればぁ〜?」

高遠はぼーっとしていると思ってたのにいきなり会話に参加してきた。


「自分ですか?」

神部は眉をひそめて明らか迷惑そうだった。


「神部いーんじゃね、同じクラス同士?」

東屋も便乗してますます機嫌悪そうだ。
……でも、


「良いかもね、神部君噛まないし、高音まで音域出てるから練習すればいけそう。」

七生までとはいかなくても中性的な地声の高さを生かせばやってみる価値は十分にある。


「珍しい、ウチ先輩以外の声を褒めるなんて。」

余計なお世話だよ高遠。

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