《MUMEI》
信用。
「は?」
言葉遣いが荒いが、僕人格のままだ。
何故荒くなったと言うと、とても信じがたい事を小鳥遊晶から言われたからである。
「新斗には…………なにもしてない?」
「君は復唱するのがクセなのかな。どうでもいいか。君の問にyesと答えるよ」
「ダウト」
そんなことがあるわけがない。
新斗は苦しんでいたんだ。
あれが何も無い人間の苦しみ方ではないと思う。
新斗の嘘、というのは考えられない。
違う、はずだ。
「嘘を憑いて、新斗にメリットなんかないはずだよ」
「早とちりしないでおくれよ。ワタシは佐久間新斗が嘘を憑いたなんて一言も言っていない」
「そう解釈するように仕向けたのは君だろう」
「言い方が悪かったなら謝るよ」
謝る、ということに僕は意外と思った。
自分のすることは正しいとまで思ってそうだけど。
「一応ワタシにも礼儀というのは知っているし、理解もしているからね」
「ならナチュラルに心を読まないでよ」
「故意ではないよ。信じてくれなくてもいいけどね」
「…………………」
「そんなに睨まないでよ。それより話が逸れたね。軌道修正しよう。とにかく、ワタシは佐久間新斗に何もしていない。でなければ、君を助けようだなんて思わないよ」
助ける…………?どういうことだ?
これのどこが僕を助けていると言うんだ。
「苦しい言い訳だ」
「言い訳じゃないってば。相当ワタシにご立腹だね、君」
「だったら早く説明してよ!僕を納得させることができるの!?」
「さあね。君がどう思うかは君の勝手さ」
「君は……!」
「ごめん、君にはもう冗談にすら真に受けてしまうくらい余裕がなかったことを失念していたよ。もう遊びはお仕舞いにするよ」
「なら、聞かせてくれ」
「わかったよ。ここから先の話は信じられなくても真実だ。それはもう承知だね」
「……………うん。なんとなくだけど、僕にはもう選択肢はないんだろう」
「ご明察。そうさ、君に選択肢はない。正確に言えば、他を選択してしまえば、君に明日はない。この世界はね――――――――」
覚悟はしていた。
だけど、その言葉を聴き、再確認された時、やはり僕は愕然とした。








「この世界はね、心が壊される直前に佐久間新斗が望んだ世界なんだよ。つまり、君はその世界に弾かれてしまったんだ」

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