《MUMEI》 家中にピンポーンと響く。 (来たか…) さりなはガチャッとドアを開けた。 目の前には執事が立っていた。 「おぉ、お前が私に仕える執事か」 そう、さりなは執事を雇ったのだ。 己の欲望、願望を満たすために。 「はい…櫻月カグです。さりなさま よろしくお願いします」 カグは、緊張しているのか さりなを悲しそうな顔でしか見ることが出来ない。 「あぁ、よろしく」 よろしくと言い、リビングに手招きした。 「来い、櫻月」 「は、はい……」 こいつ、怯えてんのかな。 私の口調に……ではないよな? イスに座り 机に置いてあったお茶をコップに注ぐ。 「櫻月、おまえはいい目をしているな」 「めっ…目ですか?」 「あぁ、私の欲望をも満たすかのような瞳だ……」 「欲望……」 (櫻月は欲望に反応している……まさかな) 満たしてくれるかな、カグ… 私の欲望を。 次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |