《MUMEI》
たとえそれが
カフェについた菜々は更衣室へ向かう。
今日は愛美がバイトを休みなので、江島と一條と菜々の3人しかバイトがいない。
取りあえず一條と2人きりになる時は今の所ないので、菜々は安心していた。
そしてカフェテリアに降りてバイトが始まった。
江島さんと一條は菜々よりはやく来て働いている。
一條が菜々をじっと見つめていた。
一條とすれ違う時にすれ違いざまに、
「昨日言った事本気だからね。」
とボソッと聞こえた。菜々は同様した。
何も知らない江島さんは普通に菜々に話かける。
「澤木さん久しぶり。」いつもと同じ会話を少ししてからまた仕事に戻る。
一條はバイトをし始めてからまだ日にちがたっていないのに、もうほとんどの仕事内容を覚えている。やはり浅野さんの言った通りに覚えがよく要領も良い様だ。
何となく羨ましく思えた。
自分は努力しないとなかなか覚えられないから、菜々にはない所をもっていて、悔しかった。
そして今日もカフェは忙しくて、大変だ。
みんな焦っている。

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