《MUMEI》 「えーっと…ルシアです。あなたが2人目で…色々聞きたいなと」 セルエルが元の世界に戻ったところでルシアはアルギエルに質問を開始する。威圧感がすごい相手であるが、先程よりは雰囲気が柔らかくなっている。 「戦闘スタイルなら中距離、遠距離からの魔法攻撃だよ。あいつは剣で近距離攻撃するから真逆だな。」 「コンビネーションとしてはいいんですよね?」 メモにアルギエルについて細かく書き込む。それを魔力を使いフワフワと浮いているアルギエルが上から覗いている。 「確かにあいつが前衛してくれるなら相性はいいだろうな。ただ最上級ばかり召喚してると身体が持たねぇよ。」 「…体力つけます。…で、羽のこと聞いてもいいですか?」 どこでも天界の人々は大小あるものの両方の翼が揃っていると教わる。怪我等で部分が欠けているものも多少はいるそうだが、全くないのは余程のことがあったのだろう。 「過度の消耗で翼が消えたんだよ。」 「過度の…消耗?」 「要するに魔力を一気に使いすぎたってことだな。まぁこれ以上教えて欲しいのなら認められることだな。」 「あはは、確かにまだ見習いですからね。」 その言葉にアルギエル驚いた様子だ。 「最上2人も喚び出しておいて見習いだぁ?…となると余程の人間が身内にいるのか?」 ルシアが養成所に入るきっかけは父親だ。父親が有名な召還士で、現在は王都の守衛隊に配属されている。そのため才能を継いでいるであろう兄妹は適性検査にかけられ、見事合格したルシアは養成所に入れられたのだ。 「えっと、父さんが召還士です。けど俺、養成所で落ちこぼれ。初めて召喚成功したのもほんとさっきのことで…。」 「落ちこぼれ…ねぇ?相当な力の持ち主な感じがするんだがな。」 2人目の召喚獣を迎えたことにより陽気な守衛は腰を抜かし、村の人々は皆、唖然としたという。 . 前へ |次へ |
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