《MUMEI》

アオキ「じゃじゃーん!ココが森林演習場です!森の中での戦闘をイメージして作られているっ!」
ショウトウ「私、戦闘苦手なんだよねー…」
と隣でショウトウがボソッという。
アオキ「なんだなんだ。戦闘員になるために試験を受けるというのにねー…服ばっか気にしていても強くはなれないよ。」
ショウトウはううっといううめき声を上げる。
ココロザシ「ところで演習って何をするのですか?」
アオキ「ああ、本題とずれてしまったね。えーと、まっ全員が敵だ!」
「「「「えっ!?」」」」
アオキ「とにかくこの演習場内で自分以外の者と戦うんだ。最後の一人になったら演習終了!って感じ。」
トモエ「あのー、殺していいんですか?」
「「「「はっ!?」」」」
アオキ「と、トモエ…もちろんダメだからな…。」
トモエはふーんと少しふてくされる。
アオキ「まっ、そういうことで演習開始!」
アオキ(いやいや…困った考えをもつ珍しい子だな…。)
ショウトウ「えっ、こ…これってもう始めていいの?」
オオガワ「多分…」
トモエ「ん、じゃ遠慮なく。」
とトモエは腰に刺さった柄から鎌を取りだし、長さを2mくらいにのばす。
ココロザシ「えっ、いきなりっ!?てか、俺からっ!」
トモエはココロザシに走り向かい鎌を振りおろす。
すると、オオガワがココロザシの目の前に滑り込み、鎌を日本刀で防ぐ。
ココロザシ「な、なんで敵なのに?」
オオガワ「なんとなく体が動いた。ただそれだけ。」
トモエ(コイツはバカなのかっ!?)
オオガワ「えーとトモエさんだっけ?」
トモエ「そうだけど。」
オオガワ「あの、刃物はあぶないから使用するのやめないっ?」
トモエは目をパチパチさせてから、思いっきりオオガワの首元をつかむ。
トモエ「オオガワさんっ。あなた、戦いをなめてないっ?」
オオガワ「イヤイヤイヤっ!そんな事ないですっ!」
トモエ(コイツ、本当に意味がわからない…)
トモエ「ハァー…分かったよ。刃物は使わず体術でって事でしょ?」
オオガワ「あぁ。ありがっー…」
ボカッ!
トモエが思い切りオオガワの溝打ちに打ち込む。
トモエ「戦闘員はいつ何どきでも気を抜かないほうがいいよ。」
オオガワ「ちょっ…マジかぁー…」
オオガワはお腹を押さえてありえないとでもいいたそううな顔をしている。
ココロザシ「じゃあ、お…俺がオオガワの敵を取ってやる!」
オオガワ「いや、僕も一緒に戦うよ!」
トモエ(んー…とりあえず。弱い奴から潰していくか…。)
トモエは前の二人を無視してさっきからオドオドしているショウトウのもとへと走っていく。
オオガワ「ショウトウさんからやっていくつもりだ!」
ココロザシ「間に合わない!」
トモエ「ショウトウちゃん、ごめんねっ!」
ショウトウ「え?」
トモエは思い切りショウトウの顔に蹴りをいれる。
ショウトウ「イタっ!!」
オオガワ「ショウトウさん、大丈夫!?」
ショウトウ「な、なんとか…」
ショウトウは口からでた、血をハンカチでぬぐう。
すると
アオキ「おーい、お前らぁ…このまま一方的にやられていいのかよ…。血なんかでても気にすんな!本当にお前ら3人試験にうかんねぇ〜ぞ。」
ショウトウ「そ、そうよね…私だってやられっぱなしじゃないんだから!」
ココロザシ「あぁ。みんなでやるよ!」
オオガワ「えっ、当初の目的と違う気が…」
トモエ「いやいや、それは卑怯だって!1対3!?」
アオキ「いやー、おもしろいねぇ。」
ショウトウ「ハァー!!」
とショウトウがトモエに向かい突撃をするがトモエはそれを軽く手で受け流し、軌道をそらす。
そして後ろから、ショウトウの背中に蹴りを入れる。
ショウトウ「かはっ!」
ココロザシ「俺も!」
ココロザシは手に力を溜め始める。
するとみるみる、手を覆うような水があふれ出る。
ココロザシ「悪いけどスキルを使わせてもらうよ!」
ココロザシはトモエに向けて、高水圧の水を打ち込む。
だが、トモエはそれバックステップでよけ、ココロザシの拳をよけて足を掛ける。
ココロザシ「うわっ!」
トモエ「もう一発!」
そしてトモエは高く飛び、ココロザシの腹にかかとを打ち込んだ。
ココロザシ「ぐはっ!!」
トモエ「あと、一匹…」
オオガワ「ははっ、不運なことに僕が最後の一人かぁ…。」

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