《MUMEI》

ラフェルの『変わりたい』という想いに応え、ファルティーテはこちらにきたという。

「アンタは何がしたいんだい?」

ドスンと大きい音をたて床に座りラフェルを見る。最上級の力を使ってまで変わりたいと思うその理由を聞いているのだ。

「兄上たちは出来損ないと言われた俺を見捨てないでいてくれた。それに報いたい。」

真っ直ぐな目でファルティーテを見る。迷いのないその表情にファルティーテは口角を上げた。

「それだけじゃないだろう?もっと大きい想いがあるはずさ。」

「一番は友を守る力が欲しかった。1人だけに任せきりの不甲斐ない自分が許せなかった。」

ルシアにばかり頼りっぱなしの自分が嫌だった。願わくば隣で共に戦いたかった。




「そっか。よく言った!やっぱりわたしの目に狂いはなかったね!」

豪快に笑いながら立ち上がり、ラフェルの頭をポンポンと叩いた。

「任せな!その友達とやらがどんなやつ連れてるかは知らないが、それなりには戦えるさ!」




これがラフェルと豪快な女騎士との出会い。




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