《MUMEI》
去っていく背中
   〜歩視点〜


『次の日、目を覚ますのが


怖かった・・・。


そしたら、お父さんが


私の部屋にやって来て


"麗羅、朝だよ。起きなさい"って


私を起こしてくれたの。


いつもと変わらないお父さんの声を


聞いて、安心して


私は、起きた。


でも私の顔を見たら


お父さん、凄く辛そうな顔をした。


"麗羅・・・。


これからお父さんが言うことを


しっかり聞くんだよ。


お父さんは


もうこの家から


・・・・・出ていかなくちゃいけないんだ。


ごめんね麗羅・・・。


愛しているよ。"


そう言ってお父さんは


去っていった。


私は、"出て行かないで"って


お父さんを止めることが


出来なかった・・・。


ただその場に


突っ立って


お父さんの出て行く背中を


見ていることしか


出来なかった。』


麗羅チャンの目は


今にも涙が落ちそうなくらいに


潤んでいる。


それでも麗羅チャンは


話し続ける。

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