《MUMEI》
嘘2
「どういうこと?」
「そのまんまの意味だよ。ごめん。困らせるだけだってわかってる。けど、ちゃんと言っておきたくて。やっぱ迷惑だよな?」優太はあきらかに動揺してる。分かってたことだけど、やっぱ傷付く。
「他に好きな人出来たっていうのは?」
予想外の答え。拒絶の言葉がくると思ってた。だから、すぐ質問に答えられなかった。
「歩夢くん?聞いてる?」 「えっ。えっと。ああ。それも言葉の通りだよ。」
疑うように顔を見てくる 優太から俺は泣きそうなのを隠すように下を向いた。
「歩夢くん、嘘下手。誰が好きじゃない人にこんな詞かけるの?」
「ッ!…好きだった時のこと思い出して書いた。」
これ以上軽蔑されたくない。だから頑張って涙堪えてるのに…想いは滴になって流れる。どうしてそんなことを聞くの?少しでも希望があるんじゃないかと期待してしまう 「もういいだろ?俺とバンドしたくないって思ったなら俺がやめるから!その詞も捨てて!」
この場から逃げたい!そう思って走り出そうとする俺を優太は後ろから抱きしめた。

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