《MUMEI》

最上級が3人ももつれるように出てきた。それは明らかに衝撃的なことだった。トーラスだけでなく他の警備隊員も驚いている。

「何故、邪魔をするのですか…アルギエル」
「兄貴が喚ばれたわけでもねぇだろ!」
「ボクだってこの町見たかったんだもん!」

出てきて早々に喧嘩を始める3人。

「ルシアはやっぱりすげぇなぁ!!」

トーラスは豪快に笑う。その後ろから背の低い女性が近寄ってくる。喧嘩する3人をまじまじと見つめてまるで観察しているようだ。

「ルナ。ここの隊員。よろしく。小さいが23だ。」

単語ごとに区切る独特の話し方の女性、ルナもまた最上級を扱う主力メンバーだという。白い髪に白い肌、制服はどことなくブカブカにも見える。

「トーラス、お前、始末書は?訓練所、破壊した。」

「あー、そんなんあったなぁ。悪い、ルシアまたな。」

ルナ曰わく、派手な爆発を起こし屋根や壁を吹き飛ばしたらしい。耐久性に富んだ素材で作られた壁を飛ばせたのは、流石最上級と言ったとこだろうか。

「トーラス、頑張ってる。安心しろ。」

無表情なルナが少し口角を上げて微笑む。ルシアは適当さが垣間見えた父親に不安を抱くのだった。





前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫