《MUMEI》
手の中の携帯からメロディが流れ出した。
俺は携帯を見る…。
――伊藤さんからのメールだ。
俺は深呼吸をして、携帯を開いた。
―――――――――
体調大丈夫か?
飲ませ過ぎて後免な
仕事終わったらメールするな。
――――――――
俺も直ぐに返信を打ちだす。
――――――――
たくさんご馳走様でした(*^∇^*)
ちょっと二日酔い気味だけど頑張って今日一日乗りきろうと思います。
調子に乗って飲み過ぎて本当にごめんなさい(T_T)
俺も仕事終わったらメールします。
――――――――
さすがに好きだとは書けないなあと思いつつ、俺は送信した。
伊藤さんからのメールだけで気分がマジ晴れた。
つか俺ってマジ簡単過ぎじゃねーかって笑いそうになったりして…。
―――恋か…。
しかし、ふと…直哉の事がよぎった。
直哉は…、俺にずっとこんな気持ち持ってくれてたんだ……。
ゴメンな…、好きになれなくて…ゴメン…。
――浮いた気持ちも切なく瞬く間に萎む…。
会って…話さなきゃ
…隆志も……。
流されるまま男に抱かれてきた日々。
簡単に脚を開いてしまった己のだらしなさに…
今更後悔が押し寄せる。
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